さらば愛しき鉤爪

もう五目焼きそばはたくさんだ!

さらば、愛しき鉤爪 (ヴィレッジブックス)

さらば、愛しき鉤爪 (ヴィレッジブックス)

レビューです。こういう本を読んでるとオシャレに思われるのではないでしょうか。

日本では2001年に発行された著者のデビュー作。たしか。

内容はと言えば、
相棒を殺されたばかりの私立探偵、ルビオはつまらない依頼の裏に相棒の死の真相が蠢いていることを嗅ぎ取り、ついには社会を揺るがす秘密にたどり着く……
といったストーリーで、ハードボイルド探偵ものにカテゴリされるものでしょう。

しかし、この作品の主人公は「ヴェロキラプトル」。人間ではなく「恐竜」です。この世界では、世界全人口(?)のうち5%が恐竜であるといいます。
古くはナポレオンも恐竜だったとか。普段の恐竜は人間社会に溶け込むためにラテックスで作られた人間の「扮装」を身にまとって暮らしています。

そんな設定だからと言って、その面白さにおんぶにだっこしていないのがこの作者の凄さ。物語の出だしこそ恐竜ネタで引き込みますが、ページをめくるうちにハードボイルドとしての面白さが発揮され、「殺竜事件」を巡る「恐竜ドラマ」に魅了されます。ぜひ一気に読んで下さい。

邦題は

からつけられています。まあわかりますね。

シリーズ化され、現在三作目まで刊行されているこの作品。
食わず嫌いせずに読んでいただきたい一冊です。

84