地球保護区

小林めぐみが作家を始めて20年が経ちました。今年は記念の年ですよ!多くの人にとってどうでもいいでしょうけど。

地球保護区 (ハヤカワ文庫JA)

地球保護区 (ハヤカワ文庫JA)

400年前、人類の汚染により、生物の生存できない環境となった地球は緩やかに回復しつつあった。その地球を昔の姿に戻すために組織された地球保護委員会は異星技術による汚染の阻止、外来種の排除、さらには地球に勝手に回帰した新地球人の退去を目的としている。
異星技術研究所に務めるシウ・ミラーは所長の要請により、地球保護委員会の調査員に同行する任を受ける。調査対象は人を食らう化け物。地球に降りたシウは地球保護委員会と新地球人との政治的なぶつかりあいに巻き込まれていく。
ハヤカワ文庫から出版された前作、回帰祭と世界観は共有してますが、物語としては世界観が繋がってるだけですね。むこうは植民惑星の一つを舞台にしてますけれど、こちらは地球が舞台なので。まあ光年単位で離れてるもの、そんなほいほいリンクされても困るよね。といっても主人公が周囲との関係を通して自分を見直すというのは共通してますが。
シウの同行することになる調査員というのが最長老といわれる婆さんなんですけど、これが強い。非常に。物理的にもなぜか強いし、婆さんなので説教はお手の物です。地球保護委員会、新地球人、主人公の三つがそれぞれの立場で主張をし、400ページしかないのにそんなことをするから当然ごちゃごちゃするんですが最終的には婆さんが全部解決してくれます。無敵!
雰囲気が徳間デュアル文庫で昔出した宇宙生命図鑑に似ている気がしないでもないのはなぜだろう…。


しかし、こばめぐはもうライトノベルを書かないんだろうか。「食卓にビールを」で星雲賞とれなかったのがまずかったのかしら。片手間ヒロイズムも続けられそうだけど、売れ行きが芳しくなさそうだしなあ。ハヤカワで書き続けてくれるならそれはそれで別に良いんだけど、たまには魔女を忘れてるみたいなのも読みたいし。
あと、星屑エンプレスの続きが読みたい。


禾原