読書会:安部公房「棒」 in 2011/6/13

 こんにちは。p.p.です。
 本日は読書会にご参加いただきありがとうございました。
 開始前は「なんか人少ないなー」とか思ってましたが、始まってみれば意外や意外。話が弾んでとても楽しかったです。

 それでは、「棒」という作品について説明しましょう。

   あらすじ
   男がビルの屋上から落下すると、一本の棒になりました。

 以上です。
 文庫本にしてたった8ページの、短編と言うより掌編と呼ぶ方がふさわしい本作について、前後合わせて2時間半程しゃべっていたわけです。作品についてだけ語っていたら、あっという間に終わってしまうはずです。どうしてこんなことができたのでしょうか?
 それは、それぞれがそれぞれの思うまま、感じるままをしゃべっていたからです。だからこそいろんな意見が出る。たった8ページの作品でも、語りつくせないほどのものを感じることができる。そして思ったことを思ったまま、感じたことを感じたまま言うことがどんなに楽しいことか。だからこそいつまでも飽きずに続けられるんですね。
 思ったこと、感じたことを話すということは、一回きりの体験ということです。例えば今日と同じメンバーがしばらくのちに、また集まって同じ作品について話したとしても、同じ話をするわけではありません。なぜなら、そのときの私は前の私ではなく、そのときのあなたも前のあなたではないから。きっとそのときは違う方向に話が進むと思います。
 つまり読書会は体験である、と。読書も同じ、書くことにしても何にしてもきっとそうでしょう。そしてそれらはきっと楽しいはず。苦しいことも公開することもあるけど、精一杯やった後、思い返してみれば、やってよかったと思うはず。そういう体験をこれからも、みんなでしていけたらいいなあと思います。
 というわけで、これからもよろしくお願いします。改めて本日はありがとうございました。

p.p.