幻想研の100冊以降<第12回〜表紙の青い本〜>

告知します。
29日(日):昼間に部室で映画を観たりします。
30日(月):放課後に部室で読書会します。

というわけでよろしく。詳細はtwitterをフォローしてみてください。
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さて、レビューは前回につづき「表紙の青い本」。(みよしくにこ)


№122
『パイの物語』 ヤン・マーテル 唐沢則幸訳 竹書房
第一章では少年パイの生い立ちと神について語られ、第二章では、救命ボートにとり残されたベンガルトラ、シマウマ、オランウータン、ハイエナとパイの、困難な漂流が始まる。そして記者とパイがライトなノリで応酬する第三章。 <自身の理性的な自己に忠実で、乾ききって、酵母の欠如した事実に執着する不可知論者ならば、自分にふりそそぐ暖かな光をこう説明するだろう。 「た、たぶん、の、脳に酸素が、い、行き渡っていないのだ」 そして、最後の最後まで想像力とは無縁で、よりよい物語を知ることなく終わるのだ。> より良い物語とはどこにあった? そう、必要なのは想像力だ。(せなかつこ)

パイの物語

パイの物語


№123
『音速平和』水無田気流 思潮社
 これは高校1年の時私が初めて買った詩集。これと、あとは三角みづ紀の『カナシヤル』と、その2冊を買うために電車で1時間かけて東京の本屋まで行ったのだった。今考えれば、30分で行ける横浜の本屋でもこの詩集を買えたはずだけど、それではだめだった。当時の私にとって、現代詩は自分のアンテナで嗅ぎ当てた、特別なものだったから。表紙は青空に五線譜を描くジェット機のV字編隊の写真で、その横にアルフェベットの大文字でSONIC PEACEと。ちょっと現代アートっぽいこの表紙の青は、水無田気流の背景色。その手前の大地はからからに渇いていて、まぶしかった。(みよし;この文章はかなりはずかしい)

音速平和

音速平和