平山瑞穂
平山瑞穂はそうとう優れた作家なんじゃないかということに最近気づきましてね。
というのも、私、実はちょっと前まで平山瑞穂はいまいちパッとしない作家だと思ってたんですよ。一作ごとに作風を大胆に変え、ファン層を広げている作家である、というのが彼によく付与されるうたい文句なのですが、作風の変更が必ずしもプラスに働いていないんじゃないかな、と。
- 作者: 平山瑞穂
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/08/25
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 173回
- この商品を含むブログ (28件) を見る
- 作者: 平山瑞穂
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/07/29
- メディア: 文庫
- クリック: 6回
- この商品を含むブログ (22件) を見る
ああ、なんだか普通の作品だな、と。一般受けはするだろうし、あざといモノは嫌いではないけれど、平山瑞穂にはもっと別のモノを書いて欲しかったな、と。これはラスマンを読んでしまっていたせいもあったのでしょうが。
- 作者: 平山瑞穂
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/09/29
- メディア: 文庫
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (16件) を見る
小説というよりはエッセイに近く、痩せぎすの体型で毎日の食生活が乱れている全国のもやしっ子を恐怖のどん底に陥れる作品。この初期三作を見ると、なるほど、確かに作風を大きく変えているな、という気がします。
- 作者: 平山瑞穂
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/03
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 18回
- この商品を含むブログ (45件) を見る
また、平山瑞穂作品にはよく現実にいそうではあるけれど、虚構の世界にわざわざ登場させるかそんなキャラ、というような、変な個性を持ったキャラが登場し(この部分は偏見の可能性大)、それがことごとく私の心を打ち砕いていくのですが、今作では望月という萌えキャラが登場するのがありがたいところ。癒されます。
- 作者: 平山瑞穂
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/07/31
- メディア: 単行本
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (31件) を見る
え、そんなとってつけたような終わり? まあ、いいけど。という様に読後はかなり動揺したと記憶しています。
タイトルに釣られましたね。
- 作者: 平山瑞穂
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2008/03/19
- メディア: 単行本
- クリック: 40回
- この商品を含むブログ (22件) を見る
- 作者: 平山瑞穂
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/09/26
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
- 作者: 平山瑞穂
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/02/24
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 21回
- この商品を含むブログ (25件) を見る
どうすれば良いと明示することはできませんが、おそらく、もっと別の形でその融合は果たせるのではないかと思うのですが……。
- 作者: 平山瑞穂
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/05
- メディア: 単行本
- クリック: 10回
- この商品を含むブログ (13件) を見る
作者曰く、ラスマンと同じような立ち位置から書いたとのことで、現実と非現実が絡み合い、地に足をつけないまま物語が進行していく感じがたまりません。とは言っても、意味を考え出すと途端に行き詰まってしまい、そういった意味では非常に読みづらい作品であると感じます。駆除する人々は雰囲気が他の短編と一線を画していますが、それ故楽しいライトノベルになっています。十月二十一日の海はキワモノ感が溢れている……。
まあ、デボラについては再読しようと思っているので評価が180度変わる可能性もあるのですが。
全体的に誉めているのかどうなのかよくわからない感じになってしまい、事実、読んでいるときや読了直後には「うーん、面白い……?」と首を傾げることが多々あるのですが、振り返ってみると作風を変化させても物語のクオリティは高く、これはすごいことだなと思ったり。
まあ、あざといのが多いような気がするので、そこは変えて欲しいのですが。一般的にはそこが受けるんだろうなあ……。
禾原