舞城王太郎

これだけで終わると物足りないと思うので、最近読んだ本のレビューをします。

煙か土か食い物 (講談社ノベルス)

煙か土か食い物 (講談社ノベルス)

スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)

スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)

熊の場所 (講談社文庫)

熊の場所 (講談社文庫)


三冊とも舞城王太郎氏の著作です。
今回はこの三冊について。

煙か土か食い物

煙か土か食い物』は、84から借りました。
とにかく勢いのある読ませる文章で、そんなつもりはなかったのに、一晩で一気に読んでしまいました。だいたい四時間くらいでしょうか。でも、文章の勢いが長さを感じさせません。
ストーリーはミステリーを軸としていますが、そこはどうでもよくて、主人公の家族の話とか登場人物の破茶目茶具合とか言い回しの秀逸さとかチャッチャッチャッとか俺は医療の神!とかを楽しめばいいと思います。

スクール・アタック・シンドローム熊の場所

『スクール・アタック・シンドローム』『熊の場所』は、どはつてんさんから借りました。
短編が三作ずつ収録されています。
熊の場所』に収録されている、「バット男」が特に気に入りました。と言っても、途中で唐突に出てくる宗教観的なぼやきが、日本人の感覚をとても的確に表現できていたと感じたのです。
全体的に面白かったり面白くなかったりするんですが、やはり言い回しが冴えています。物語の展開の仕方も、どこから発想が出てくるのかと不思議になります。特に「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」ですが、主人公がソマリアに現れるところなど、まるで説明がなされない。すごいです。
全体的に、『煙か土か食い物』のような勢いがないのが残念でした。


次は『好き好き大好き超愛してる。』とかを読もうかなと思っています。
以上、p.p.でした。